ふるさと納税はワンストップ特例と確定申告のどちら?
使えない人・無効になる4つの場合・締め切り

ふるさと納税は、寄付しただけでは税金が安くなりません。「ワンストップ特例」か「確定申告」のどちらかの手続きが必要です。どちらを使うのか、申請が無効になるのはどんなときかを、総務省・国税庁の資料と地方税法で確認してまとめました。

最終確認日:2026年10月14日

いちばん気をつけたいのは、ワンストップ特例を申請したあとで確定申告をして、ふるさと納税を書き忘れることです。確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になります。確定申告をする人は、その年のふるさと納税を全部、申告書に書いてください。

どちらを使うか

あなたの状況使う手続き
会社員などで確定申告をしない。寄付先は5自治体以内ワンストップ特例(確定申告でもよい)
寄付先が6自治体以上確定申告
医療費控除などを受けるために確定申告をする確定申告(ふるさと納税も全部書く)
確定申告をしなければならない人(下の例)確定申告

ワンストップ特例が使えるのは、確定申告の不要な給与所得者などで、寄付先が5自治体以内の人です(総務省)。数えるのは寄付の回数ではなく自治体の数なので、同じ自治体に何回寄付しても1自治体です。ただし、申請書は寄付のたびに出します。

会社員でも確定申告をしなければならない人の例

国税庁の説明では、給与所得者でも次のような人は確定申告が必要です。当てはまる人は、ワンストップ特例は使えません。

ほかにも当てはまる場合や、例外があります。くわしくは出典の国税庁のページを見てください。

ワンストップ特例が無効になる4つの場合

申請書を出していても、次のどれかに当てはまると、ワンストップ特例は使えなくなります(地方税法 附則第7条)。1〜3は、その年の全部の寄付について、申請がなかったものとして扱われます。

  1. 確定申告をした(医療費控除や、副業の申告など。理由は問いません)
  2. 住民税の申告をした
  3. 申請した寄付先が6自治体以上になった
  4. 寄付した翌年の1月1日に住んでいる市区町村が、申請書に書いた住所と違う(引っ越したのに届け出ていない)

当てはまった人は、確定申告をして、その年のふるさと納税をすべて書いてください。ワンストップ特例の申請を出した分も含めます。

4は、届け出れば防げます。申請のあとで引っ越したり名前が変わったりした人は、寄付した翌年の1月10日までに、寄付先の自治体へ変更の届け出(申告特例申請事項変更届出書)を出してください。

確定申告で書き忘れたら

国税庁によると、ワンストップ特例を申請した人が、まちがってふるさと納税を書かずに確定申告をした場合は、「更正の請求」という手続きでやり直せます。ふるさと納税を入れても所得税の額が変わらない人は更正の請求ができないので、その場合は住んでいる市区町村に相談してください。

締め切り(2026年分)

2026年分になるのは、2026年1月1日から12月31日までに支払いが済んだ寄付です。

手続き締め切り出す先
ワンストップ特例の申請書多くの自治体で 2027年1月10日(日)必着寄付先の自治体(寄付ごとに)
住所・氏名の変更の届け出2027年1月10日寄付先の自治体
確定申告2027年3月15日(月)住所地の税務署(e-Taxでも可)
年末にまとめて寄付する人へ:寄付先の自治体の数を数えてワンストップ特例が使えるかを判定し、寄付ごとに「申請書を送る/受付の連絡を待つ」を一覧にするExcel 「ふるさと納税 寄付管理シート(2026年分・480円)」 もあります。おかね計算ラボが作成・販売しているExcelです(BOOTHのページが開きます)。

税金の引かれ方の違い

ワンストップ特例確定申告
所得税引かれない寄付した年の所得税から引かれる(納めすぎた分は還付)
住民税全額が、翌年度(翌年6月から)の住民税から引かれる残りが、翌年度(翌年6月から)の住民税から引かれる
合計上限までの寄付なら同じ(寄付額 − 2,000円)

例:年収500万円・独身の人が5万円を寄付した場合(上限は約57,000円)

ワンストップ特例では、お金が振り込まれるのではなく、翌年6月からの住民税が毎月少しずつ安くなります。

上限を超えたときは、ワンストップ特例のほうが少し不利

上限までの寄付なら、どちらでも自己負担は2,000円です。違いが出るのは、上限を超えて寄付したときです。

ワンストップ特例では、所得税から引かれるはずだった分を、住民税に上乗せして引きます。この上乗せ分は「住民税の特例分 × 決まった割合」で計算する決まりです(地方税法 附則第7条の2)。上限を超えると特例分が頭打ちになるので、上乗せ分も一緒に頭打ちになります。確定申告なら、所得税の分は、超えた金額にもそのまま効きます。

年収(独身)と寄付額上限確定申告の自己負担ワンストップ特例の自己負担差
400万円・6万円を寄付42,000円約17,100円約18,100円約900円
500万円・7万円を寄付57,000円約12,600円約13,300円約600円
500万円・8万円を寄付57,000円約21,100円約22,300円約1,100円
700万円・13万円を寄付108,000円約17,200円約21,600円約4,500円
700万円・15万円を寄付108,000円約31,100円約39,600円約8,500円

給与収入のみ・社会保険料は年収の15%・ほかの控除なしで計算した目安です。確定申告の金額は、所得税の税率が計算式の税率と同じ場合です。

所得税の税率が高い人ほど、差が大きくなります。上限を超えて寄付してしまったと気づいた人は、確定申告をしたほうが自己負担が少なくなります。確定申告をすればワンストップ特例の申請は無効になるので、その年の寄付を全部、申告書に書いてください。

寄付する前に上限を計算しておけば、この差は気にしなくて済みます。

確定申告をするときに気をつけること

よくある質問

Q. 5自治体に2回ずつ、合計10回寄付しました。ワンストップ特例は使えますか?
使えます。数えるのは寄付の回数ではなく、自治体の数です。ただし、申請書は寄付のたびに出す必要があります。
Q. ワンストップ特例を申請したのに、住民税が安くなっていない気がします。
翌年6月ごろに届く住民税の決定通知書で、寄附金税額控除の金額を確認してください。書き方は市区町村によって違うので、分からないときは住んでいる市区町村の税務担当に聞くのが確実です。上の「無効になる4つの場合」に当てはまっていないかも確認してください。
Q. ワンストップ特例を申請しましたが、やはり確定申告にしたいです。
確定申告をすれば、ワンストップ特例の申請は無効になります。その年のふるさと納税をすべて申告書に書いてください。
Q. iDeCoをしています。ワンストップ特例は使えますか?
iDeCoの掛金を年末調整で申告していて、確定申告をしない人は使えます。iDeCoの掛金を確定申告で申告する人は、ふるさと納税も確定申告に書いてください。iDeCoをしていると上限が下がるので、上限の計算もあわせて確認してください。

今年の寄付をまとめて管理したい方へ

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出典・参考資料

この記事の金額は、給与収入のみの人について計算した目安です。所得税の税率が計算式の税率と違う人、住宅ローン控除などを受ける人は、金額が変わります。手続きのくわしい内容は寄付先の自治体に、税額は住んでいる市区町村や税務署にご確認ください。