パートの住民税はいくらから?
年収119万円の線と、住んでいる地域で変わる非課税の基準
2026年に働いた分の住民税(2027年6月から払う分)は、給与だけで扶養する家族がいない人なら、年収119万円以下でかかりません。ただし、住民税のうち「均等割」の基準は住んでいる地域で違い、年収115.5万円や112万円を超えるとかかる市町村もあります。所得税の「178万円」とは別の線なので、分けて考えましょう。
最終確認日:2026年10月17日
住民税は「所得割」と「均等割」の2つ
- 所得割:所得に応じてかかる部分。課税所得の10%(市町村6%+都道府県4%)から調整控除を引いた額です。
- 均等割:所得にかかわらず定額の部分。標準は年4,000円(市町村3,000円+都道府県1,000円)。あわせて国の森林環境税1,000円も一緒に納めるので、合計5,000円が目安です(独自に上乗せしている自治体もあります)。
どちらにも「前年の所得がこれ以下なら課税しない」という基準があり、基準が別々なのがポイントです。
非課税の基準(扶養する家族なしの場合)
| 合計所得 | 給与収入にすると(2026年分) | |
|---|---|---|
| 所得割(全国同じ) | 45万円以下 | 119万円以下 |
| 均等割(1級地) | 45万円以下 | 119万円以下 |
| 均等割(2級地) | 41.5万円以下 | 115.5万円以下 |
| 均等割(3級地) | 38万円以下 | 112万円以下 |
給与所得は「給与収入 − 74万円」(給与収入が219万1,000円未満の場合)なので、合計所得の基準に74万円を足した額が給与収入の線になります。たとえば1級地では、給与119万円なら給与所得45万円でちょうど非課税、120万円だと均等割と所得割の両方がかかります。
「級地」は生活保護の基準で使う地域の区分(1級地〜3級地)で、均等割の基準は国の基準をもとに市町村の条例で決めます。お住まいの市区町村が何級地にあたるかは、市区町村の住民税の案内(「住民税が課税されない人」など)で確認してください。住民税は1月1日に住んでいた市区町村でかかります。
森林環境税は、原則として均等割がかからない人にはかかりません(基準が異なる場合があると案内している自治体もあります)。
所得税の「178万円」とはなぜ違う?
2026年分の所得税は、基礎控除が104万円に上がったため、給与だけなら年収178万円までかかりません(74万円+104万円)。一方、住民税の基礎控除は43万円のままで、非課税の基準も合計所得45万円のままです。そのため「所得税は0円なのに住民税はかかる」人が出てきます。年収の壁の全体像は136万・169万・178万の違いの記事もご覧ください。
2026年6月からの住民税は「110万円」
いま払っている住民税(令和8年度、2026年6月〜2027年5月)は、2025年分の給与にかかるものです。このときの給与所得控除の最低額は65万円なので、1級地の線は年収110万円(65万円+45万円)でした。同じ働き方でも、2027年6月からの分は線が9万円上がります。
年収別の住民税の目安(2027年6月からの1年分)
給与だけ・扶養する家族なし・社会保険料0円(家族の扶養に入っている場合など)のときです。均等割は標準の4,000円+森林環境税1,000円で計算しています。
| 2026年の給与収入 | 給与所得 | 1級地 | 2級地 | 3級地 |
|---|---|---|---|---|
| 110万円 | 36万円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 115万円 | 41万円 | 0円 | 0円 | 5,000円 |
| 119万円 | 45万円 | 0円 | 5,000円 | 5,000円 |
| 120万円 | 46万円 | 6,500円 | 6,500円 | 6,500円 |
| 125万円 | 51万円 | 10,500円 | 10,500円 | 10,500円 |
| 130万円 | 56万円 | 15,500円 | 15,500円 | 15,500円 |
| 150万円 | 76万円 | 35,500円 | 35,500円 | 35,500円 |
- 120万円の例:給与所得46万円 − 基礎控除43万円 = 課税所得3万円。所得割は 3万円 × 10% = 3,000円 から調整控除1,500円(3万円 × 5%)を引いて1,500円。均等割と森林環境税5,000円を足して6,500円です。
- 自分で社会保険料を払っている人は、その分だけ所得割が減ります。たとえば年収150万円で社会保険料が年22万円なら、住民税は13,500円です。
年収が120万円を少し超えたくらいなら、住民税は年1万円前後です。「住民税がかかるから119万円で止める」と決める前に、手取り全体で比べるのがおすすめです。社会保険の扶養(130万円)や配偶者の控除への影響は扶養内であと何時間?で確認できます。
計算してみる
| 給与所得 | |
| 課税所得(基礎控除43万円と社会保険料を引いた額) | |
| 所得割 | |
| 均等割+森林環境税 | |
| 住民税(1年分) |
給与だけ・扶養する家族なし・社会保険料以外の控除なしの計算です。均等割は標準税率(4,000円)で、市町村の上乗せは入れていません。障害者・未成年・寡婦・ひとり親の非課税(下記)は入れていません。
扶養する家族がいる人は、基準が上がる
自分の住民税で配偶者や子を扶養している人(16歳未満の子も数えます)は、非課税の基準が上がります。
- 所得割:35万円 ×(本人+扶養する家族の人数)+ 10万円 + 32万円
- 均等割:35万円 ×(本人+扶養する家族の人数)+ 10万円 + 21万円(1級地。2級地は35万円・21万円に0.9、3級地は0.8を掛ける)
| 扶養する家族(1級地) | 均等割がかからない給与収入 | 所得割がかからない給与収入 |
|---|---|---|
| なし | 119万円以下 | 119万円以下 |
| 1人 | 175.1万円以下 | 186.1万円以下 |
| 2人 | 210.1万円以下 | 221.5万円以下 |
2026年分の給与で計算(給与所得控除の端数処理を含む)。夫婦のどちらが子を扶養に入れているかで変わります。パートで働く側が子を扶養に入れていなければ「なし」の行です。
障害者・未成年・寡婦・ひとり親の人
前年の合計所得が135万円以下なら、住民税(均等割・所得割とも)はかかりません。給与だけなら、2026年分は年収209万円以下が目安です。
住民税はいつ、どうやって払う?
- 2026年の所得にかかる住民税は、2027年6月から2028年5月までの1年分です。
- 勤め先で給与から天引き(特別徴収)されるか、市区町村から届く納付書で払います(普通徴収)。
- 年の途中で仕事を辞めても、前の年の所得にかかる住民税は払います。収入が減った年の翌年に住民税が来て驚く、ということがあるので注意しましょう。
よくある質問
- Q. 住民税の非課税の基準は、年収ではなく所得で見るのですか?
- はい。基準は前年の「合計所得金額」です。給与だけなら、給与収入から給与所得控除(2026年分は最低74万円)を引いた額です。副業などほかの所得があれば合計します。
- Q. 学生のアルバイトも同じですか?
- 同じ基準です。給与だけなら2026年分は年収119万円以下(1級地)で住民税はかかりません。なお、所得税の勤労学生控除を使っても、住民税の非課税の基準そのものは変わりません(未成年の人は上の「135万円以下」が使えます)。
- Q. 住民税がかかると、家族の扶養から外れますか?
- 住民税がかかるかどうかと、家族の税金の扶養(配偶者控除など)や社会保険の扶養(130万円)は別の基準です。配偶者控除・配偶者特別控除の線は136万・169万・178万の違い、社会保険は扶養の130万円は契約で見るで解説しています。
出典・参考資料
- 地方税法 第295条(個人の市町村民税の非課税の範囲:生活扶助、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親の135万円、均等割の非課税)、附則第3条の3(所得割の非課税の範囲:35万円×人数+10万円、扶養する家族がいれば+32万円)、第314条の2(基礎控除43万円)、第314条の6(調整控除)、第38条・第310条(均等割の標準税率) e-Gov法令検索
- 地方税法施行令 第47条の3(均等割の非課税の基準:35万円×級地の率×人数+10万円、扶養する家族がいれば+21万円×級地の率) e-Gov法令検索
- 地方税法施行規則 第9条の21(級地の率:1級地1.0、2級地0.9、3級地0.8) e-Gov法令検索
- 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」(令和8年分・令和9年分の表、所得税法別表第五の扱い) nta.go.jp
- 中央区「令和9年度(令和8年分)から適用される個人住民税の改正」(住民税の給与所得控除の最低額74万円、住民税の基礎控除は改正なし) city.chuo.lg.jp
- 広島市「均等割(住民税)よくある質問と回答」(給与収入のみの目安:令和8年度110万円、令和9年度から119万円) city.hiroshima.lg.jp
- 浜松市「森林環境税(国税)について」(令和6年度から年額1,000円、個人住民税均等割とあわせて課税) city.hamamatsu.shizuoka.jp
この記事は、公表されている法令・資料をもとにした一般的な説明で、令和9年度(2026年分の所得)の住民税で計算しています。実際の基準や税額は、お住まいの市区町村の条例・ほかの所得や控除によって変わります。くわしくは市区町村の住民税の窓口でご確認ください。