住宅ローン控除は年末調整でどうする?
1年目は確定申告・2年目から年末調整と、引ききれない分は住民税から
住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)は、住み始めた最初の年は会社員でも確定申告が必要で、2年目からは年末調整で受けられます。控除額は年末のローン残高×0.7%(住宅の種類と入居年ごとに上限あり)。所得税だけで引ききれないときは、翌年度の住民税から最高97,500円まで引かれます。
最終確認日:2026年10月23日
1年目は確定申告、2年目から年末調整
| どこで | 出すもの | |
|---|---|---|
| 1年目(住み始めた年の分) | 税務署に確定申告 | 住宅借入金等特別控除額の計算明細書、金融機関の年末残高等証明書、登記事項証明書(床面積)、売買契約書・工事請負契約書の写し(取得対価)、省エネ性能などの証明書(認定住宅等の場合)など |
| 2年目以後 | 勤務先の年末調整 | 税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関の「年末残高等証明書」 |
- 2026年に住み始めた人は、2027年の確定申告(2027年2月16日〜3月15日。税金が戻るだけなら1月1日から出せます)で1年目の控除を受けます。2026年の年末調整では、まだ住宅ローン控除は受けられません。
- 2025年以前に住み始め、1年目の確定申告を済ませた人は、2026年の年末調整で控除を受けられます。勤務先から書類の提出を求められたら、上の2枚を出します。
- 借入先の金融機関が「調書方式」に対応していて、借りるときに適用申請書(マイナンバーなどを書いたもの)を出した人は、金融機関が税務署に年末残高を報告します。年末残高の情報をマイナポータル経由で使えるので、手続きが簡単になります(国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)」)。手元に年末残高等証明書が届かないことがあるのはこのためです。
- 1年目に確定申告をし忘れても、還付申告は翌年1月1日から5年間出せます(No.2030)。
控除額は「年末残高×0.7%」
毎年の控除額は、12月31日のローン残高(住宅の取得対価のほうが少なければ取得対価)×0.7%で、100円未満は切り捨てです。住宅の種類と住み始めた年ごとに、1年あたりの上限(控除限度額)があります(国税庁 No.1211-1・No.1211-3)。
新築・未使用の住宅(新築等)
| 住宅の区分 | 2022・2023年入居 | 2024・2025年入居 | 2026・2027年入居 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 35万円(13年) | 31.5万円(13年) ※35万円 | 31.5万円(13年) ※35万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 31.5万円(13年) | 24.5万円(13年) ※31.5万円 | 24.5万円(13年) ※31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 28万円(13年) | 21万円(13年) ※28万円 | 14万円(13年) ※21万円 |
| その他の住宅 | 21万円(13年) | 原則0円。2023年までに建築確認を受けた(または2024年6月30日までに建築された)ものは14万円(10年) | |
※は「特例対象個人」(その年の12月31日に、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人)の上限です。2026年以後に床面積40〜50㎡の認定住宅等に住み始めた場合は、この上乗せはありません。
中古住宅
| 住宅の区分 | 2022〜2025年入居 | 2026〜2030年入居 |
|---|---|---|
| 認定住宅・ZEH水準省エネ住宅 | 21万円(10年) | 24.5万円(13年) ※31.5万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 21万円(10年) | 14万円(13年) ※21万円 |
| その他の住宅 | 14万円(10年) | 14万円(10年) |
年末残高が3,000万円なら0.7%で21万円。上限21万円の住宅なら21万円、上限14万円の住宅なら14万円が、その年の控除額です。
受けられる人のおもな条件
- 取得から6か月以内に住み、その年の12月31日まで住み続けている(転勤などの例外は No.1234)
- 床面積50㎡以上(登記事項証明書の面積。マンションは専有部分)。40〜50㎡の住宅も対象になる場合があります
- その年の合計所得金額が2,000万円以下(40〜50㎡の住宅は1,000万円以下)。年ごとに判定するので、所得が超えた年だけ受けられません
- 返済期間10年以上のローン。親族・知人からの借入れや、勤務先からの無利子・0.2%未満の借入れは対象外
- 借り換えたときは、もとのローンを返すための借り換えで10年以上などの条件を満たせば続けて受けられます。控除の年数は延びません(No.1233)
所得税で引ききれない分は住民税から
住宅ローン控除は、まず所得税(復興特別所得税を足す前の額)から引きます。所得税より控除額のほうが大きいと、残りは翌年度の住民税から引かれます(地方税法附則5条の4)。
- 住民税から引ける上限=所得税の課税総所得金額等の5%、最高97,500円。
- 令和8年度(2026年度)の住民税から、令和7年までに住み始めた人は、この「課税総所得金額等」に「所得税の基礎控除額−48万円」を足して計算します。2026年分の所得税の基礎控除が最大104万円に上がって所得税の課税所得が小さくなっても、住民税から引ける上限が減らないようにするためです(地方税法附則5条の4、横浜市・北九州市の案内)。
- 年末調整や確定申告の内容が市区町村に伝わるので、住民税のための申告は原則いりません。
- それでも引ききれない分は、その年の分としては使えずに終わります。
年収別の目安(令和7年までに入居した人)
給与だけ・社会保険料が年収の15%・ほかの控除なしで計算しました。所得税の減る額は復興特別所得税(2.1%)込みです。
| 年収 | 控除額 | 所得税が 減る額 | 住民税から 引かれる額 | 使いきれない額 |
|---|---|---|---|---|
| 年末残高3,000万円・上限21万円の場合 | ||||
| 400万円 | 210,000円 | 57,100円 | 84,000円 | 70,000円 |
| 500万円 | 210,000円 | 90,300円 | 97,500円 | 24,000円 |
| 600万円 | 210,000円 | 147,500円 | 65,500円 | 0円 |
| 700万円 | 210,000円 | 214,400円 | 0円 | 0円 |
| 年末残高4,000万円・上限31.5万円の場合 | ||||
| 400万円 | 280,000円 | 57,100円 | 84,000円 | 140,000円 |
| 500万円 | 280,000円 | 90,300円 | 97,500円 | 94,000円 |
| 600万円 | 280,000円 | 147,500円 | 97,500円 | 38,000円 |
| 700万円 | 280,000円 | 274,100円 | 11,500円 | 0円 |
- 年収500万円・残高3,000万円の例:給与所得356万円、所得税の課税所得177万円で、所得税は88,500円。控除21万円のうち88,500円で所得税が0円になり、残り121,500円のうち97,500円が住民税から引かれます。24,000円は使いきれません。
- 年収が低い人や、ほかの控除(扶養控除・生命保険料控除など)が多い人ほど、所得税が少なくなるので、控除を使いきれないことがあります。
- 夫婦でローンを組んでいる場合は、それぞれが自分の分の残高で控除を受けます。連帯債務のときは、確定申告で「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」(付表)を使って自分の分を計算します(No.1211-1)。
計算してみる
| 住宅ローン控除の額 | |
| 所得税が減る額(復興特別所得税込み) | |
| 住民税から引かれる額(翌年度) | |
| 使いきれない額 |
給与だけの人の概算です。合計所得金額は給与所得だけで判定しています。取得対価が年末残高より少ない場合や補助金を受けた場合は、控除額が少なくなります。住民税は所得割10%(調整控除なし)で計算しています。年末調整・確定申告での正確な額は、源泉徴収票や税務署・勤務先でご確認ください。
2026年の年末調整で気をつけること
- 2026年分から所得税の基礎控除が上がったので(2026年の年末調整は何が変わった?)、所得税が前の年より少なくなり、所得税から引ける住宅ローン控除が減って、住民税に回る分が増える人がいます。上の「基礎控除−48万円を足す」決まりで、住民税から引ける上限は減らないようになっています。
- 年末調整の書類(扶養控除等申告書、保険料控除申告書など)と一緒に、住宅ローン控除の申告書と年末残高等証明書を出します。生命保険料控除・地震保険料控除の書き方は 生命保険料控除・地震保険料控除と社会保険料控除 をご覧ください。
- 医療費控除やふるさと納税(6自治体以上)で確定申告をする人は、住宅ローン控除も確定申告に書きます(会社員で確定申告が必要な人)。
年末調整の書き方を確認したい方へ
おかね計算ラボが作成・販売しているExcelです(BOOTHのページが開きます)。住宅ローン控除の申告書の計算は入っていません。
よくある質問
- Q. 住宅ローン控除は1年目から年末調整で受けられますか?
- 受けられません。最初の年分は確定申告が必要です。2年目以後は、税務署から送られてくる控除申告書と年末残高等証明書を勤務先に出せば、年末調整で受けられます。
- Q. 年末調整で出しそびれました。
- 年末調整で受けなかった年分も、確定申告をすれば控除を受けられます(年末調整を受けた会社員の還付申告。翌年1月1日から5年間)。
- Q. 所得税が控除額より少ないと、残りはどうなりますか?
- 令和7年までに住み始めた人は、翌年度の住民税から最高97,500円まで引かれます。住民税の申告は原則いりません。それでも残る分は使えずに終わります。
- Q. 1年目に確定申告をし忘れました。
- 還付申告はその年の翌年1月1日から5年間出せます。
出典・参考資料
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和8年4月1日現在法令等:控除限度額と期間、適用要件、1年目は確定申告・2年目以後は年末調整、100円未満切り捨て) nta.go.jp
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-3「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(令和8年4月1日現在法令等) nta.go.jp
- 国税庁 タックスアンサー No.1233「住宅ローン等の借換えをしたとき」・No.1234「転勤と住宅借入金等特別控除等」(令和8年4月1日現在法令等) nta.go.jp
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について」 nta.go.jp
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」(翌年1月1日から5年間) nta.go.jp
- 地方税法 附則第5条の4(個人の道府県民税及び市町村民税の住宅借入金等特別税額控除。e-Gov 法令検索、令和8年法律第2号による改正後・2026年10月16日施行版) laws.e-gov.go.jp
- 横浜市「令和8年度 個人市民税・県民税の税額控除」(2026年6月3日更新:住宅ローン控除の算式、基礎控除−48万円の加算) city.yokohama.lg.jp
- 北九州市「住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)」(2026年9月24日更新) city.kitakyushu.lg.jp
この記事は、公表されている法令・資料をもとにした一般的な説明です。実際の控除額は、住宅の区分・取得対価・補助金・持分・ほかの所得や控除によって変わります。申告は国税庁の確定申告書等作成コーナー・税務署・勤務先・お住まいの市区町村でご確認ください。