住宅ローン控除は年末調整でどうする?
1年目は確定申告・2年目から年末調整と、引ききれない分は住民税から

住宅ローン控除(正式には住宅借入金等特別控除)は、住み始めた最初の年は会社員でも確定申告が必要で、2年目からは年末調整で受けられます。控除額は年末のローン残高×0.7%(住宅の種類と入居年ごとに上限あり)。所得税だけで引ききれないときは、翌年度の住民税から最高97,500円まで引かれます。

最終確認日:2026年10月23日

この記事の前提:2026年(令和8年分)の所得税と、2027年度(令和9年度)の住民税の説明です。会社員(給与所得者)が、令和4年以降に住み始めた住宅について控除を受ける場合を扱います。税金は概算です。

1年目は確定申告、2年目から年末調整

どこで出すもの
1年目(住み始めた年の分)税務署に確定申告住宅借入金等特別控除額の計算明細書、金融機関の年末残高等証明書、登記事項証明書(床面積)、売買契約書・工事請負契約書の写し(取得対価)、省エネ性能などの証明書(認定住宅等の場合)など
2年目以後勤務先の年末調整税務署から送られてくる「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関の「年末残高等証明書」

控除額は「年末残高×0.7%」

毎年の控除額は、12月31日のローン残高(住宅の取得対価のほうが少なければ取得対価)×0.7%で、100円未満は切り捨てです。住宅の種類と住み始めた年ごとに、1年あたりの上限(控除限度額)があります(国税庁 No.1211-1・No.1211-3)。

新築・未使用の住宅(新築等)

住宅の区分2022・2023年入居2024・2025年入居2026・2027年入居
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅35万円(13年)31.5万円(13年)
※35万円
31.5万円(13年)
※35万円
ZEH水準省エネ住宅31.5万円(13年)24.5万円(13年)
※31.5万円
24.5万円(13年)
※31.5万円
省エネ基準適合住宅28万円(13年)21万円(13年)
※28万円
14万円(13年)
※21万円
その他の住宅21万円(13年)原則0円。2023年までに建築確認を受けた(または2024年6月30日までに建築された)ものは14万円(10年)

※は「特例対象個人」(その年の12月31日に、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人)の上限です。2026年以後に床面積40〜50㎡の認定住宅等に住み始めた場合は、この上乗せはありません。

中古住宅

住宅の区分2022〜2025年入居2026〜2030年入居
認定住宅・ZEH水準省エネ住宅21万円(10年)24.5万円(13年)
※31.5万円
省エネ基準適合住宅21万円(10年)14万円(13年)
※21万円
その他の住宅14万円(10年)14万円(10年)

年末残高が3,000万円なら0.7%で21万円。上限21万円の住宅なら21万円、上限14万円の住宅なら14万円が、その年の控除額です。

受けられる人のおもな条件

所得税で引ききれない分は住民税から

住宅ローン控除は、まず所得税(復興特別所得税を足す前の額)から引きます。所得税より控除額のほうが大きいと、残りは翌年度の住民税から引かれます(地方税法附則5条の4)。

2026年に住み始めた人の住民税:2026年10月時点の地方税法の条文(e-Govで確認)では、住民税から引く決まりの対象は「居住年が令和7年まで」と書かれています。一方で、自治体の案内には令和12年までの入居を対象として載せているものもあります。2026年入居の分の住民税の扱いは、法改正や総務省・市区町村の案内で確かめてから、この記事を更新します。下の計算ツールでも、2026年入居の人は住民税の部分を計算していません。

年収別の目安(令和7年までに入居した人)

給与だけ・社会保険料が年収の15%・ほかの控除なしで計算しました。所得税の減る額は復興特別所得税(2.1%)込みです。

年収控除額所得税が
減る額
住民税から
引かれる額
使いきれない額
年末残高3,000万円・上限21万円の場合
400万円210,000円57,100円84,000円70,000円
500万円210,000円90,300円97,500円24,000円
600万円210,000円147,500円65,500円0円
700万円210,000円214,400円0円0円
年末残高4,000万円・上限31.5万円の場合
400万円280,000円57,100円84,000円140,000円
500万円280,000円90,300円97,500円94,000円
600万円280,000円147,500円97,500円38,000円
700万円280,000円274,100円11,500円0円

計算してみる

万円
万円
万円
万円

住宅ローン控除の額
所得税が減る額(復興特別所得税込み)
住民税から引かれる額(翌年度)
使いきれない額

給与だけの人の概算です。合計所得金額は給与所得だけで判定しています。取得対価が年末残高より少ない場合や補助金を受けた場合は、控除額が少なくなります。住民税は所得割10%(調整控除なし)で計算しています。年末調整・確定申告での正確な額は、源泉徴収票や税務署・勤務先でご確認ください。

2026年の年末調整で気をつけること

年末調整の書き方を確認したい方へ

おかね計算ラボが作成・販売しているExcelです(BOOTHのページが開きます)。住宅ローン控除の申告書の計算は入っていません。

よくある質問

Q. 住宅ローン控除は1年目から年末調整で受けられますか?
受けられません。最初の年分は確定申告が必要です。2年目以後は、税務署から送られてくる控除申告書と年末残高等証明書を勤務先に出せば、年末調整で受けられます。
Q. 年末調整で出しそびれました。
年末調整で受けなかった年分も、確定申告をすれば控除を受けられます(年末調整を受けた会社員の還付申告。翌年1月1日から5年間)。
Q. 所得税が控除額より少ないと、残りはどうなりますか?
令和7年までに住み始めた人は、翌年度の住民税から最高97,500円まで引かれます。住民税の申告は原則いりません。それでも残る分は使えずに終わります。
Q. 1年目に確定申告をし忘れました。
還付申告はその年の翌年1月1日から5年間出せます。

出典・参考資料

この記事は、公表されている法令・資料をもとにした一般的な説明です。実際の控除額は、住宅の区分・取得対価・補助金・持分・ほかの所得や控除によって変わります。申告は国税庁の確定申告書等作成コーナー・税務署・勤務先・お住まいの市区町村でご確認ください。