会社員でも確定申告が必要な人は?
副業20万円のルールと、20万円以下でも住民税の申告がいる話

会社員の多くは年末調整で税金の精算が終わるので、確定申告は要りません。ただし、副業などの所得が20万円を超える人、給与を2か所以上からもらっている人、給与が2,000万円を超える人などは、年末調整を受けていても確定申告が必要です。よく聞く「20万円」は収入ではなく所得(収入−経費)のこと。そして20万円以下でも住民税の申告は原則必要です。

最終確認日:2026年10月22日

この記事の前提:2026年(令和8年分)の所得について、2027年に確定申告をする場合の説明です。税金の計算は、所得税(復興特別所得税を含む)と翌年度の住民税(所得割10%)の概算です。

年末調整を受けていても確定申告が必要な人

国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」(No.1900)に、次のように書かれています。確定申告をすれば税金が戻る人は除きます(戻る人は「出してもよい」)。

当てはまる人よくある例
給与の収入が2,000万円を超える年末調整そのものが受けられない
給与1か所で、給与・退職以外の所得の合計が20万円を超える副業・フリマでの転売・業務委託・ブログの広告・暗号資産の利益など
給与2か所以上で、年末調整されなかった給与の収入+給与・退職以外の所得が20万円を超える本業のほかにアルバイトでも給与をもらっている
同族会社の役員などで、その会社から貸付金の利子や家賃を受け取っている—
災害減免法で源泉徴収の猶予などを受けている—
源泉徴収義務のない人から給与をもらっている個人宅の家事使用人など
退職所得の税額が、源泉徴収された額より多くなる—

「20万円」は収入ではなく所得

給与を2か所からもらっている人

年末調整は1か所(扶養控除等申告書を出した勤め先)でしか受けられません。もう1か所の給与の収入(所得ではなく収入)と給与以外の所得を足して20万円を超えると、確定申告が必要です。

ただし、給与の収入の合計から所得控除(雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除く。社会保険料控除など)を引いた額が150万円以下で、給与以外の所得が20万円以下なら申告は要りません。パートを2つ掛け持ちしている人などが当てはまります。

20万円以下でも「申告しなくていい」とは限らない

1. 住民税の申告は原則必要

20万円のルールは所得税の確定申告だけの決まりです。住民税には同じ決まりがないので、所得税の確定申告をしない場合は、副業の所得について住んでいる市区町村に住民税の申告をするのが原則です(さいたま市「副業の所得が20万円以下の場合でも申告は必要ですか?」)。所得税の確定申告をした人は、その内容が市区町村に回るので、住民税の申告は別に出さなくてかまいません。

副業が雇われて給与をもらう形で、その勤め先が市区町村に給与の報告をしている場合は、改めて申告しなくてよいとされています(同)。申告のしかたや期限は市区町村ごとに案内があるので、お住まいの市区町村で確かめてください。

2. 医療費控除やふるさと納税で申告するなら、20万円以下の所得も書く

国税庁のQ&Aでは、20万円のルールは「確定申告をしなくてよい場合」の決まりで、確定申告をするときに20万円以下の所得を書かなくてよいという決まりではない、とはっきり書かれています。医療費控除などで還付申告をするときは、副業の所得も一緒に申告します(No.1900 Q&A「確定申告を要しない場合の意義」)。そのぶん、戻る税金が少し減ることがあります。

確定申告をすると税金が戻ることがある人

申告の義務がなくても、出せば税金が戻る場合があります(還付申告。国税庁 No.2030)。

還付申告は、確定申告の期間とは関係なく翌年1月1日から5年間出せます(No.2030)。源泉徴収された所得税がない人(源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人)は、申告しても所得税は戻りません。

2026年分の確定申告の期間

副業の所得でいくら税金が増える?

給与に副業の所得が上乗せされると、その分に所得税と住民税がかかります。給与だけ・社会保険料が年収の15%・ほかの控除なしで計算しました(副業分の社会保険料・源泉徴収は考えていません)。

本業の年収副業の所得
10万円
20万円30万円50万円100万円
300万円15,100円30,200円45,300円75,500円151,100円
500万円15,100円31,200円51,400円91,900円192,900円
700万円30,400円60,800円91,200円152,100円304,200円

計算してみる

万円
万円
万円
万円

所得税住民税(翌年度)合計
副業の所得で増える税金

判定は国税庁 No.1900 の1〜3だけで行い、「確定申告をすれば税金が戻る人は除く」の部分は考えていません。150万円の特例の判定に使う所得控除は、入力した社会保険料だけです。税金は、2か所目の給与を入れずに、本業の給与と副業の所得だけで計算した概算です(副業の報酬から源泉徴収された分は差し引いていません。住民税の調整控除は入れていません)。

副業の帳簿をつける方へ

副業の売上と経費を入れると、確定申告で使う数字まで集計するExcelもあります。

おかね計算ラボが作成・販売しているExcelです(BOOTHのページが開きます)。

よくある質問

Q. 副業の20万円は収入ですか、所得ですか?
所得です。収入から必要経費を引いた額(給与所得・退職所得以外の所得の合計)が20万円を超えると、確定申告が必要です。
Q. 副業の所得が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
所得税の確定申告は要らない場合がありますが、住民税の申告は原則必要です。医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするときは、20万円以下の所得も一緒に申告します。
Q. フリマアプリで家の不用品を売りました。
ふだん使っていた服や家具などを売った所得は非課税なので、20万円の計算に入れません。売るために仕入れた物の利益は雑所得になります。
Q. 2026年分の確定申告はいつですか?
2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。税金が戻るだけの還付申告は、2027年1月1日から5年間出せます。

出典・参考資料

この記事は、公表されている法令・資料をもとにした一般的な説明です。増える税金は、ほかの所得や控除、副業の社会保険料・源泉徴収によって変わります。実際の申告は、国税庁の確定申告書等作成コーナー・税務署・お住まいの市区町村でご確認ください。