契約は週20時間未満でも社会保険に加入?
「2か月連続で週20時間以上」のルール
「契約は週19時間だから、社会保険には入らない」。そう思っていても、実際に働いた時間が2か月続けて週20時間以上になると、加入の対象になることがあります。
最終確認日:2026年10月11日
ルールの内容
日本年金機構の資料では、次のように説明されています。
契約などで決められた所定労働時間が週20時間未満の人でも、実際の労働時間が連続する2か月において週20時間以上となり、引き続き同じ状態が続いている、または続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3か月目の初日に、被保険者の資格を取得する。
社会保険に入るかどうかは、まず契約の時間(所定労働時間)で判断します。ただし、契約と実際の働き方がずれている状態が続くと、実際の時間で判断される、ということです。
このルールが関係するのは、短い時間で働く人の加入の対象になっている勤め先です(2026年10月時点では、会社全体で厚生年金の加入者が51人以上。学生は対象外)。
いつから加入になるか
| 実際の働き方 | 加入 |
|---|---|
| 11月・12月と続けて週20時間以上。1月以降も続く見込み | 1月1日から加入 |
| 10月・11月と続けて週20時間以上。12月以降も続く見込み | 12月1日から加入 |
| 12月だけ週20時間以上。1月は元に戻った | 加入しない |
| 11月・12月と続けて週20時間以上。1月からは契約どおりに戻ることが決まっている | 続く見込みがなければ対象外(判断は勤め先と年金事務所) |
ポイントは「2か月続けて」と「その後も続く見込み」の2つです。1か月だけ忙しかった、という場合は当てはまりません。
「週20時間以上の月」の目安
見るのは、残業も含めた実際に働いた時間です。週20時間は、1か月に直すと約87時間です(20時間 × 52週 ÷ 12か月)。月の合計がこれを超える状態が続いているなら、注意が必要です。
月によって日数や曜日の並びが違うため、境目に近い場合の細かい判定は、勤め先や年金事務所に確認してください。
働く人が気をつけること
- 月ごとの時間を記録する。給与明細の労働時間や、シフト表の合計を月ごとに控えておくと、続けて超えていないかが分かります。
- 超えた月の翌月を調整する。1か月超えても、翌月が週20時間未満なら「2か月連続」にはなりません。
- 加入してもよいかを、先に考えておく。加入すると保険料が引かれて手取りは減りますが、将来の年金が増え、傷病手当金などの対象になります。加入を前提に時間を増やす、という選び方もあります。
店長・事業主が気をつけること
日本年金機構の資料には、実際の調査で見つかった例が紹介されています。
- 採用のときだけ加入の要否を判断し、入社後は労働時間を確認していなかった。
- 年金事務所が実際の勤務時間を調べたところ、加入の基準を続けて超えていた。
- その結果、さかのぼって加入の手続きが必要になった。
さかのぼって加入すると、その間の保険料もまとめて納めることになり、本人の負担分をどう精算するかという問題も出てきます。資料では、次の2点が改善のポイントとされています。
- 短時間で働く人の実際の勤務時間を正確に把握して、勤務の状況を管理する。
- 基準を超えてしまった場合は、続けて同じ状態にならないよう管理する。同じ働き方が必要なら、速やかに加入の手続きをする。
月ごとの時間を管理する
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よくある質問
- Q. 繁忙期だけ時間が増える場合も、加入になりますか?
- 2か月続けて週20時間以上になっても、その後は元に戻ることがはっきりしていて、続く見込みがない場合は、このルールの対象になりません。ただし、最終的に判断するのは勤め先と年金事務所です。毎年同じ時期に長く続く場合などは、勤め先に確認してください。
- Q. 50人以下の会社で働いています。関係ありますか?
- 2026年10月時点では、短い時間で働く人の加入は51人以上の会社が対象なので、週20時間のルールは関係しません(週30時間以上が目安の「正社員の4分の3以上」の基準は、会社の規模に関係なく当てはまります)。対象の会社は2027年10月に36人以上へ広がる予定です。
- Q. 掛け持ちで、合計すると週20時間を超えます。
- 社会保険の加入は、勤め先ごとに判断します。それぞれの勤め先で週20時間未満なら、合計が超えていても対象になりません。
- Q. 加入になったあと、時間が減ったらどうなりますか?
- 加入したあとに働く時間が減った場合の扱いは、契約の内容や今後の見込みによって変わります。勤め先に確認してください。
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出典・参考資料
- 日本年金機構「社会保険事務のポイント Vol.7」(事例「短時間労働者の適用」) nenkin.go.jp(PDF)
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」 nenkin.go.jp
この記事は、公表されている資料をもとにした一般的な説明です。社会保険の加入を最終的に判断するのは、年金事務所・健康保険組合・勤務先です。ご自身の場合は、勤め先や年金事務所にご確認ください。